たよなひて2ndアルバム『お茶の花』
■収録曲
1,4月
2,うさぎとかめの結婚式
3,ごろごろ
4,夏の終わりに
5,すいか無言
6,君をさらってく
7,月
8,春一番
9,あくびのうた
10,存在
11,猫募集中
■たよなひて(TYNHT)
小林妙子(drums)
三羊一(guitar)
新井未来(keyboards)
五十嵐直子(guitar)
五十嵐英尚(bass)
ゲスト
堀口奈音(violin)
野津山智一(clarinet)
黒川早苗(flute)
他
イラスト:うえむらまさゆき
デザイン:黒川早苗
録音&ミックス&マスタリング:岡村陽一
コメント
自分はわりと旧くから五十嵐夫妻を知っていて、ザ・お寺というバンドをやっていたり、英尚さんが弾き語ったりを見ていました。
しばらく会わない時期があって、再会すると「たよなひて」というバンドを活動していて、五十嵐住職が本堂で開くイベントで共演したときに初めて、たよなひてのライブを見ました。
お寺で演奏するたよなひては、本人たちはそれなりに緊張してるようだったけど、なかなか見られない脱力感があって、演者の緊張がお客さんに伝染しないという珍しい現象だった気がします。
新しい2ndアルバムを送ってもらって、長くないアルバムなので10回くらい聴きました。
実は初めの1,2回はちょっとした違和感があって。
どうしてか。
変な言い方だけれど、すごくちゃんとしていて、馴染めなかった。
ちゃんとした楽曲、独特のゆるいノリながらもしっかりしたバンドサウンド、上質な録音、歌もなんかちゃんとしている・・・。
自分の知っていたつもりの五十嵐夫妻のイメージが勝手に定着していて、それとのギャップに戸惑いを覚えたのでした。
けれど、それから何度も聴いている内にその違和感はゆるやかに柔らかく溶けて消えていき、今では懐かしい感じさえする馴染みのある音や歌になってしまいました。
柱時計のようなドラム、てらいの無いアレンジ、風景の歌。
ちゃんとしているなあ。ちゃんとしていて、良いなあ。
ちゃんと続けてほしいです。素敵なアルバムを世界に配ってください。
大野ミチル慎矢(山村暮鳥のうた、トラペ座、ほか)
〜たよなひて/"お茶の花"によせて〜
久しぶりにCDをあけて歌詞カードを見ながら聴いて、
久しぶりに音楽を聴いたような気がしました
自分の中の大切なものがどんどん戻ってくる感覚がありました
ゆっくりと心を動かすことを思い出しました
安心する、とっても美しい毎日のこと
優しい時間の存在
なんにもない豊かさ
忘れてたんだね
「うさぎとカメの結婚式が今日はあった
それでみんな幸せな気分」
「大人になってわかること
子供の時に見えること
すぐに忘れてしまうこと仕方ないね」
「歳をとっていくんだ
窓をあけておくんだ」
「そこにあるもの
消えて無くなるもの」
「猫のぴーちゃんどこ行くの
こっちへおいでこここい、こここい
川を渡るの
星になるの」
ああ、忘れてたこと、ここにあった
なんだか涙が出るよ
美しい心を、ありがとう
穂高亜希子